株式投資の信用取引増減は必ず確認しましょう。そこに投資のヒントが隠されています。

Brand selection tips(銘柄選定のコツ)

 

リオ
質問者

株の信用取引の買い残・売り残について質問です。楽天証券やSBI証券のスマホアプリで個別銘柄の信用買い残の増加を日々チェックしているのですが、ある銘柄で信用買い残が日々減少しているので、週1回公表される信用買い残が減少しているはずだと思っていたら、逆に増加していたりするのですが、なぜですか?

 

カモネギ投資家
著者

はい、質問にお答えします。

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日証金が公表する信用取引の残高と東証が公表する信用取引の残高の違いは何?

まずは日本証券金融株式会社(以下、日証金)が公表する信用取引の残高と東京証券取引所(以下、東証)が公表する信用取引の残高の違いを理解しましょう。

たとえば楽天証券ではスマホアプリISPEEDで表示されている、市況情報からみることができます。

こちらは東京証券取引所が週一回公表している信用取引の買い残と売り残の情報ですが、前週の各市場の信用取引残高を取りまとめて、翌週に公表しています。

この数字は制度信用や一般信用、各証券会社が貸し出しした残、また大株主からの貸し株情報なども含まれる為、正確に表示されます。

こちらの日本証券金融株式会社(以下、日証金)が公表する信用取引の状況は日々公表されていますが、こちらは日証金を通じて貸し出された制度信用のみ表記されています。

 

つまり日証金が公表している各証券会社の信用取引の状況を見て、信用取引の残高をチェックしていても、正確な信用取引の残高の状況を確認するには、1週間に1度公表される東証をチェックしなければなりません。

 

今回の質問者のケースですと、楽天証券ISPEEDの日証金の融資残(信用買い残)が日々減少していたので、おそらく信用買い残が減少しているはずだと思っていたら、週1回公表される東証の信用買い残が増加していたので、混乱したのでしょうね。

 

ではなぜこの質問者は信用取引の需給を気にするのでしょうか?

ここからは信用取引の残高が株価にどのような影響をもたらすのかを説明します。

実は信用取引の残高は株価の動向に大きく関係してきます。

投資の罠に注意しましょう。

信用取引の残高は、投資家の心理に大きく影響されることがあります。

一般的な考え方は、買い残が増加している場合、投資家の多くがその銘柄に対して買いのポジションを持っていることを示しています。

これは、その銘柄に対する市場の期待感が高まっていることを意味していますが、一方、売り残が増加している場合、投資家の多くがその銘柄に対して売りのポジションを持っていることを示しています。これは、その銘柄に対する市場の期待感が低下していることを意味しています。

また、買い残が減少している場合、投資家の多くがその銘柄に対してポジションを解消していることを示しています。これは、その銘柄に対する市場の期待感が低下していることを示唆することがあります。

 

ですが・・・

これはあくまでも一般的な考え方です。

つまり逆もありえると言うことです。

たとえば信用買い残の増加は、株価上昇に悪影響をもたらすケースがあります。また信用買い残の減少、売り残の増加は株価が反転するきっかけにもなりえます。

しこり銘柄に手を出すな。

株価下落の際の信用買い残が増加するということは、損失を抱えた投資家が売りたくても売れない「しこり」の状態だといえます。

信用取引での買い残は売り圧力になりえます。株価が反転しようとしても、すぐにポジションを解消したい投資家の売り圧力により株価上昇の壁になるケースが出てきます。

損失を抱えた投資家のしこり玉が株価上昇の下げ圧力になるということです。

また信用買い残が増加しているケースでは、大口投資家やヘッジファンドの空売りに狙われるケースもあります。

大口の空売りが入ることで、さらなる株価下落の引き金になる可能性があるので注意が必要です。

つまり投資家の心理は必ずしも市場の動向を正確に反映するわけではありません。

また、信用取引の残高の変動が必ずしも株価の変動と一致するわけでもありません。そのため、投資家は市場の動向だけでなく、自分自身の投資判断やリスク管理にも注意を払う必要があります。

 

最後に

東京証券取引所では、週一回(第二営業日)の16:30を目安に、先週末時点での信用取引の残高を公表しています。

こちらは信用取引の残高すべてを公表していますので、正確に市場全体の状況を把握できますが、週に1度の公表ですのでデイトレードなどの短期取引では速報性に欠けます。

一方で日証金が公表するデータは、日々の信用取引残高を銘柄別に公表しています。毎営業日の夜には更新されるため、短期取引では重要なデータになります。

しかし今回の質問者のケースのように、このデータは日証金が把握しているデータであって、各証券会社が貸株を手当するなどして、日証金に賃借取引を申し込んでいないケースはカウントされないので注意が必要です。

信用取引残高をチェックする際には、短期取引のケースでは日々公表される日証金の残高を確認し、中長期の取引のケースでは東京証券取引所が週一回公表するデータを参考にすると良いでしょう。

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